戦後、武道は急速に国際化し、昭和三十九年(一九六四)の東京オリンピックには正式種目として「柔道」が加えられた。合気道・剣・杖・体術の理合・5冊/Traditional Aikido Sword Stick Body Arts/斉藤守弘/得意とする剣杖と体術との理合を説いた著書は絶無。欧米の産業人や青年層には、今や武道を通して日本人の心を知ろうとしている人たちが急速に増加しているという。法術行り方絵解/藤田西湖・同君は全身に二百有餘本刺針の保持者/昭和3年/本書は自己の能くするもの六十有一を自ら絵にし自ら解説を加へた。戦後数十年で目ざましい経済成長を遂げた原動力を武道の心に求めようとしているのである。幕末剣豪展/小野派一刀流/馬念庭流/直心影流/神道無念流/剣道。もし「武道の心」が新渡戸稲造の言う「日本のこころ」(soul of Japan)に含まれるならば、欧米人の発想は必ずしも短絡に過ぎるとは言えないかも知れない。日本武道史/横山健堂/剣道・柔道・弓道/昭和18年・初版/格技が武道となった今日日本武道の歴史を各々の分野に論じた本邦絶後の日本武道史。